ポーニョポーニョポニョ♪の歌でおなじみ、子どもを中心に根強い人気の宮崎駿監督作品『崖の上のポニョ』。
明るいイメージで楽しくて、とても魅力的な作品ですが、強いメッセージ性は打ち出されていないため、何を伝えたい作品なのかイマイチよくわからないという方も多いようです。
そこで、今回は宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』を通じて何を伝えたいと思っていたのか、そのメッセージを深堀りしてみたいと思います。
この映画のキャッチコピーは「生まれてきてよかった」。
ジブリ作品に共通する、”生”という言葉が含まれていますね。
この言葉は、ポニョが何を伝えたい作品なのかを読み解く上で大事なキーワードになってくるみたいですよ。
それではポニョに隠されたメッセージやその魅力について、さっそく考えてみましょう!
Contents
【崖の上のポニョ】何を伝えたい?
海三昧のあと、家族で崖の上のポニョ鑑賞🌊5歳のそうすけは我が家の次男と同じ年。子どもの無邪気さ素直さ…子どもとゲラゲラ笑いながら鑑賞中📺#夏休みはジブリ pic.twitter.com/OuvGjukMYl
— はる│オンライン秘書&日本語教師 (@39haru32) August 2, 2023
この作品が伝えたいことは、自然と人間の共存です。
二人のかわいらしさに気を取られていると、ただ物語が展開してハッピーエンド!という風に見えて、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
しかしそこはさすがのスタジオジブリ。
よくよく見てみると、メッセージがちゃんとあります。
それがどのような場面に出てくるのか、一緒に見ていきましょう!
人間と自然との共存
ポニョ放映中❗️
宮崎監督の作品はいつも「人間と自然との共存」をテーマにお送りしている。
ポニョも自然と人間がいかに共生していくかについて問われている。
そこを思いながら、観てると少し印象が変わります。#崖の上のポニョ#ジブリ#金曜ロードショー#映画#アニメ#ポニョ#伝えたいこと pic.twitter.com/cD3HyxnYBu
— よっしー (@naaaaaa910518) August 23, 2019
ポニョに出てくる、自然の美しさと人間が海を汚しているという事実。
これら相反するものを描くことで、人間がこれからどう振舞えば自然と共存できるのか、問いかけてくるような作品となっています。
この作品の一番初めの映像は、様々な海の生き物が描かれた、美しい海の中。
クラゲやプランクトンがプカプカ気持ちよさそうに泳いでいる姿が気持ちよさそうで、私も大好きな場面です。
冒頭から登場するポニョの父親”フジモト”は、自身も元人間でありながら、自然を壊すばかりの人間を忌み嫌い、ポニョから遠ざけようとしていました。
海に捨てられたゴミの中をポニョが泳ぐシーンもあり、宗介と出会ったときにポニョが挟まっていた瓶はその中のひとつで、このようなシーンを通じて海洋汚染が表現されています。
ポニョがゴミの中を逃げまどう姿が痛々しくて、人間のエゴで海の生き物にこんな思いをさせてしまっているという事が、リアルに伝わってきますよね。
それでもポニョは人間である宗介を好きになってくれて、そんなところからも自然と人間が共存できる可能性や、作品のメッセージを感じることが出来ます。
本当は人魚姫を作りたかった?
「#崖の上のポニョ」はアンデルセンの童話「#人魚姫」がモチーフの1つとなっていて、宮崎駿監督は『人間には魂があるが人魚は魂を持たない』という価値観に納得が行かなかったことが本作の起点かもしれないと語っています。「人魚姫」とは違い、映画はポニョが泡にならない結末となりました。 pic.twitter.com/B2a8EoPi87
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) May 6, 2022
登場シーンのポニョは魚ですが、最後は人間になるという点が人魚姫を彷彿とさせませんか?
しかしそれは、意図したものではないのだそう。
ただ、9歳の頃初めて出会った本が『人魚姫』で、その内容に納得がいかなかった事がルーツになっている可能性もあると、監督本人が発言しています。
人魚姫がルーツになっているかもしれないけれど、意図していない・・・。
矛盾しているように聞こえますが、何かを作る上で過去に出会った作品が影響を与えることは大いにありますし、それが意図したものでないことも珍しくないことですよね。
【崖の上のポニョ】宮崎駿からのメッセージや魅力も解説!
🐱「崖の上のポニョ」に出ていた、あのラーメン。むっちゃ美味しいそう😋#アニメ好きと繋がりたい #相互フォロー希望 #宮崎駿 監督作品 pic.twitter.com/dgmcSjA8ne
— misae☆ (@misae_mori) January 8, 2024
宮崎駿監督からのメッセージは、この時代に立ち向かおう!というものです。
そしてこの作品の魅力は、子供が見せてくれる純粋さ!
宮崎駿監督作品は、公開されるとともに監督の発言や制作意図にも大きく注目されます。
それは、監督自身が強い信念をもって作品作りをしていて、そこに惹かれる人も多いという事の現れではないでしょうか。
この作品のように、監督の意図が一見わかりにくい映画だと、なおさら注目が集まります。
ポニョを通して監督が伝えたかったメッセージと、この作品ならではの魅力について考えてみましょう。
宮崎駿のメッセージとは?
原作・脚本・監督 宮崎駿『崖の上のポニョ~生まれてきてよかった。~』
21時から放送です📺「人間が手で描く」アニメーションの根源に戻ることにこだわって作られた作品♩
たっのっしっみ~~~(*¯艸¯) pic.twitter.com/GqsGAN6iwo— chisaä*ghibli* (@with_ghibli) February 13, 2015
宮崎駿監督がポニョの企画書に書いた言葉の中に、このようなものがあります。
“少年と少女、愛と責任、海と生命、これ等初源に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである。”
これは、この世界の本質を描くことで、この時代に立ち向かう力を込めるという意味だと私は解釈しました。
そう考えるとこの作品は、監督を通してためらわずに描かれた本質が、先の見えない時代にまだ残っているこの世界の美しさを思い出させてくれますよね。
そしてその美しさに触れることで、現代を生き抜く力を与えてくれるような作品になっていると感じます。
この時代に絶望するのではなく、肯定するようなメッセージを感じながら観てみると、また違った感覚を得られるかもしれませんね。
子供の純粋さが表れている!
明日は週末なので、ちょうど宮崎駿作品の崖の上のポニョを見て、いつの間にかこの時間になって、私は明日私が何時まで寝るか分からないで、しかし私は自然に目が覚めるまで眠ります。😁😁 pic.twitter.com/A8NePTTo5Y
— ドーラ✨ (@dora7453) December 16, 2023
この作品の魅力は、何と言ってもポニョと宗介のまっすぐな気持ちではないでしょうか?
宗介がポニョと出会ってうれしい気持ち。
いなくなって悲しい、寂しい気持ち、リサと別れて不安な気持ち。
ポニョが宗介を大好きな気持ち、フジモトを嫌いな気持ちなどが、イキイキと描かれています。
それらを隠すことなくストレートに表現する二人の姿は、大人にはない純粋さが際立っていて、作品全体にキラキラしたエッセンスを散りばめてくれていますよね。
「ポニョ、宗介、好きー!」というまっすぐな言葉や、「上々!上々!」など聞いた言葉をすぐに使ってみる姿からも、子供ならではの純粋さが伺えます。
大人が忘れてしまった子供の純粋さには、観ている人を元気づけてくれるパワーがあるのかもしれません。
まとめ
スタジオジブリ15作目
崖の上のポニョを観ました
全体的に明るい話で、終始楽しい気持ちで観れた!
宗介の正義感やポニョの素直さなど、子供の真っ直ぐさに元気をもらえるお話でした🥹
ポニョが人間の姿になり、宗介に会うために波の上を走ってリサ・カーと並走するシーンが好きです#F1Ghibli pic.twitter.com/c2z7Ch6dYb— えふわん (@F1_MK7) October 24, 2023
今回は、あまり深くは語られず、一見子供向けに見える『崖の上のポニョ』が何を伝えたい作品だったのかを調べてみました。
私自身もあまりよく考えずに楽しんでいたので、宮崎駿監督が作品を通じて何を伝えたいと思っていたのかを知ることができて、ポニョの魅力を再発見することができたと思います。
海を汚すばかりの人間たちでしたが、今は環境問題に真剣に向き合っている人も増えていると思います。
そういう意味では、宮崎駿監督のメッセージが浸透してきているのかもしれませんよね!
一見子供向け作品でも色々な見方ができることがわかったので、何でも自分なりにメッセージを掴もうとすると、また違った魅力を再発見出来るかもしれません。
あなたなりの視点で、『崖の上のポニョ』を楽しんでくださいね!