もののけ姫の主人公であり、数奇な運命をたどることになる青年アシタカは、たたら場の女性達からも「いい男」と称されるほどのイケメン。
そんな正義感が強く、外見も内面もイケメンなアシタカは、女性関係に注目して見てみると、浮気性で女たらしなのでは、という憶測が生まれているんだとか。
またアシタカは、実在するキャラクターモデルがいて、そのモデルは「エミシ」と呼ばれています。
実在するモデル「エミシ」は、どんな人だったのか、もののけ姫のファンたちからも、いろいろな情報が集まっているようです。
はたして本当に、アシタカは浮気性の女たらしなのか、そして、エミシはどんな人だったのかを、徹底検証していきましょう。
Contents
アシタカは浮気性の女たらし?
我が名はアシタカ!
ForceBookのファンミーティングが今週末やると聞いているが、グッズ情報・物販開始時間・開場時間さえも発表されていない!
本当にForceBookのファンミーティングは開催されるのか! pic.twitter.com/aukDG9l7go— 📛じまみ📛@全ての課題を破壊中 (@JIMAMI404) July 10, 2023
前提としてアシタカは、王族という設定があるため、正室のほかに側室がいても当然で、今の恋愛観でものさしをすると、浮気性や女たらしのように見えるはずです。
その時代の環境などを考えると、アシタカは健全な若者がとる行動で、とても自然な流れだということが分かります。
また、カヤがアシタカに、玉の小刀(ネックレス)を渡し、その小刀をアシタカは、サンに渡すという、代表的な場面があります。
この、浮気性で女たらしに見えてしまうアシタカの行動には、実は、さまざまな深い意味があったんです。
アシタカは健全な若者だった!
お団子アシタカも好きだけど断髪アシタカの破壊力がすごすぎてお団子アシタカの影が薄くなる。
お団子アシタカは少年で断髪アシタカは青年って感じ(伝わって) pic.twitter.com/PmqkmZ3v1Y— くさかんむり (@Gbl0715_) August 4, 2022
アシタカは呪いを受けて断髪し、村から追放されたため、その時点で、カヤとの婚約は破棄しており、もともと周りが決めた結婚だったのでしょう。
そのため、サンと出会った時は、アシカタにパートナー(恋人、許嫁、妻)はいない、と考えられます。
アシカタはカヤに「必ず村に戻ってくる」「必ず迎えにくる 」等の約束はしていません。
「カヤをいつも想う」と言うアシタカのセリフがありますが、これは、罰を受ける覚悟をしてまで、見送りに来たカヤへの優しさでなのではないでしょうか。
アシタカはカヤに対して、恋愛感情はなかったように見え、これらの点をふまえると、アシタカは、ごく健全な若者なのではないかと考えられます。
山犬にもなれず、人間にもなれない孤独なサンと、死の呪いを受け、孤独に旅するアシタカが、お互いに惹かれ合うのは、自然な流れ。
もちろん、考え方は人それぞれで、年齢や性別によっても、映画の見方は違うため、いろいろと考察してみるのも楽しいですね。
カヤからもらった小刀をサンにあげたのは深い意味が!?
映画もののけ姫の豆知識。
山犬に育てられた少女サンとアシカタカの許嫁のカヤの声優を務めた石田ゆり子さんですが、アシタカが玉の小刀をサンにプレゼントしたことに対して宮崎駿監督に抗議したところ「男なんてそんなもん」と返されてしまったそうです。#もののけ姫 #金曜ロードショー pic.twitter.com/HsjnQhFTKB— 揚げどり (@_Aokame_t4k0p) August 13, 2021
序盤のシーンで、アシタカはカヤに玉の小刀(ネックレス)をもらいますが、サンとの出会い後に、小刀をサンに渡してしまうシーンが出てきます。
このやり取りは、アシタカが浮気性や女たらしだと言われてしまう、一番の問題シーンですが、考察していくと、さまざまな深い意味があったんです。
お守り
カヤは、アシタカに小刀を渡す時、「お守りするよう息を吹きこめました」と言ったことから、小刀は「お守り」としての意味があると考えられます。
破滅的なことが起こる予感に満ちているにも関わらず、アシタカはサンの居場所が分からない場面があり、不安や心配な思いが募っている状態に。
その状況で「お守り」を渡す(正確には山犬に託す)という行為は、どこにいるか分からないサンに対して「無事でいてくれ」というメッセージが込められていると考えられます。
小刀をサンに渡した場面は、全面戦争が始まる前で、本当に誰もどうなるか分からないような状態です。
そんな中で、大切な小刀を渡したということは、自分はこの場所で、死ぬ覚悟で戦うという意味なのではないでしょうか。
現代からすると、大切な人から渡されたものを、他の人にあげてしまうことは、チャラいと捉えてしまうかもしれませんが、アシタカの決意を表したシーンだと考えられますね。
サンへの思い
小刀を渡すシーンで、カヤが「いつもカヤは兄さまを思っています」と言ったことから、小刀は「思い」の象徴とも捉えられます。
カヤがアシタカを思うように、アシタカはサンを思っている、という意味を見出すことができ、簡単に言うと、アシタカがサンに「好きだ」と告白していることに。
また、小刀は乙女心、つまり人間の心の象徴であり、人間の心を持っていないサンに渡すことで、サンが人間の心を持っていくことを示しています。
ただ、少し苦い解釈もでき、アシタカがカヤを振って、サンに告白したようにも見えてしまいますね。
故郷との別れ
カヤから小刀を渡されたアシタカは、「私はいつもカヤを思おう」と言いますが、これは、アシタカの村への未練から生まれたセリフだと、解釈することもできます。
例えば、もしこの時点で「二度と村へは戻らない」と決めていたら、アシタカは小刀を受け取らなかったのではないでしょうか。
そして、このシーンがあることで、以後小刀は、アシタカと故郷をつなぐアイテムにもなっているんです。
アシタカは呪いが解けた後、カヤが待つ村に戻るつもりで、小刀を肌身離さず持っているのだと解釈できます。
そんな大事なアイテムを、アシタカは山犬を通じてサンに渡すことで、「もう村には戻らない」という、アシタカの決意を見出すことに。
また小刀は、女性が結婚する相手に渡すもので、あの時代は離婚などは認められないため、一つしか持つことができません。
カヤは、一生独身を決意して渡したもので、それもアシタカは理解した上で、サンに渡したということは、やはりこの場所で、一生生きていくという決意が表れていますね。
ラストシーン
前述の「サンへの思い」と「故郷との別れ」でのことは、両方ともラストシーンに繋がっていたんです。
最後のシーンで、サンはアシタカに「アシタカは好きだ。でも、人間を許すことは出来ない」と告げる、有名な場面がありますよね。
これは、アシタカの告白に対するサンの回答で、「私もあなたを好きだけど、一緒にはなれない」という意味に。
これに対し、アシタカは「サンは森で、私はたたら場で暮らす。共に生きよう」と告げ、サンはそれを受け入れています。
たたら場で暮らすということは、同時に故郷を捨てるという意味で、アシタカはカヤに象徴される故郷を捨て、結ばれることのない運命にあるサンと、共に生きる決意をしたんです。
そして、アシタカもサンもカヤも、それぞれが思う人と一緒になることができないという、実は「もののけ姫」は悲しい恋物語でもあるんですね。
近くにいるのに、両思いなのに、結ばれることはない、アシタカとサンは、ある意味カヤよりも可哀そうかもしれません。
このように、様々な解釈が出来るシーンで、より深く、もののけ姫の世界に入ることができ、おもしろいですね。
アシタカの実在モデル「エミシ」はどんな人だったか比較検証!
アシタカはエミシの村を出て、西へと旅立ちますが、当初は旅の途中のエピソードも、いろいろ描かれる予定でした。
しかし、物語が長くなるため割愛されています。この美術ボード(2枚目)は、そのために描かれたものです。
アシタカは旅の道中、森に住む老人と出会う可能性もあったのかもしれません。 pic.twitter.com/PeorP2kMpC— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) July 24, 2022
アシタカの本名は、「アシタカヒコ」と言い、北方の最果てに隠れ住む「エミシ」という、実際にある部族の若者という設定なんだとか。
その実在するモデル「エミシ」という人は、意志が強く、勇敢な人だと想像できます。
そして、アシタカの言動から、エミシと比較すると、まさにエミシそのものの人物像だったんです。
「エミシ」は意志の強さを持った勇敢な人!
もののけ姫が放送中ですが、ジブリパークにはその世界観を再現したエリアがつくられます。エミシの村とタタラ場をイメージした体験学習施設「タタラ場」や「炭焼き小屋」の他、休憩処等が整備されます。2023年に開業予定です。 pic.twitter.com/4Og0IEDAh5
— 飛翔~リニア時代の新しい名古屋へ (@skysclinear758) August 13, 2021
もののけ姫では、大和朝廷の支配に抵抗し、追われた人々がいる「エミシの村」という、社会的立場を追われた者たちが、独自の社会を形成して生活しています。
「えみし」には、強さや勇敢さという語感があり、村の背景からも、エミシという人は、意志の力強さが想像できますね。
アシタカはエミシそのもの!
アシタカは髷を切りますが、これはこの村の人間ではなくなることを意味しています。エミシの村の人間は、髪の毛の無い者を除いてみんな髷を結っています。#もののけ姫 pic.twitter.com/0zqpXwVClN
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) August 13, 2021
アシタカは17歳の青年で、エミシのリーダーであったアテルイの末裔というイメージで描かれており、いずれは、一族の長になるはずだったキャラクターでもあります。
口数は少ないですが、強い正義感を持っており、とても勇敢な青年です。
アシタカヒコの「ヒコ」は、~様や、~さんという意味があることから、位が高く、且つ次期長であるため、幼少期から英才教育を受けていました。
他にも、狩猟を得意とし、狩猟で鍛え上げた弓術と、高い身体能力があるのが分かるシーンも、多くありますよね。
また、呪いをもらってしまったアシタカは、髪を切りますが、あれは、あの村で人ではなくなるという事に等しい行為で、当然二度と村には戻れません。
旅に出て、自分が置かれた状況を見定め、しっかり信念を持って行動していたり、発言したりする場面が、多く見られます。
このようなことから、エミシという人物像と照らし合わせても、アシタカはエミシそのものだということが分かりますよね。
女性に対しても、自分の信念は揺るがず、真っすぐに思いを伝え、男らしい勇敢な姿は、サンでもカヤでも、たたら場の女性たちでも、皆が認めるイケメンでしょう。
まとめ
松田洋治主演・宮崎駿原作/脚本/監督
『もののけ姫』鑑賞。
太古からの神々が住む深い森に覆われた
国、エミシの村の少年アシタカはタタリ
神の呪いを解く為に西の国へ旅立つ…。
当時の歴代興行収入記録第1位を記録し
各映画賞を総なめにしたスタジオジブリ
の最高傑作。小林薫のジコ坊がいいね♪ pic.twitter.com/a6jhcdBnoC— サノバ・アワビッチ (@awabi58531) October 31, 2022
もののけ姫で描かれている時代は、現代と比べると大きく違うもので、今の恋愛観であれば、アシタカの言動は、浮気性や女たらしのように見えてしまうものです。
その時代の環境などを考えると、アシタカは、ごく健全な若者がとる行動だったということが分かります。
小刀を巡る場面は、浮気性で女たらしに見えてしまうアシタカの、代表的な行動ですが、そこには様々な深い意味がありました。
実在するモデルとなった「エミシ」という人は、どんな人だったのかを深堀りしていくと、まさに、アシタカの人物像そのもの。
数々のアシタカの言動を見れば分かることで、アシタカはどんな人だったのかを追及すると、実在するモデル「エミシ」の人物像も見えてくるのではないでしょうか。
もののけ姫だけではなく、映画やドラマを見てどう思うかは自由ですが、いろいろな考察をつなげていくと、アシタカは、誰もが惚れるイケメンだったように思います。