宮崎駿といえば日本を代表するアニメーターであり、小さい頃からジブリ映画を見て育ったという方は多いはず。
子ども向けの楽しい演出もありつつ、大人になってから見ると強いメッセージ性や違った魅力を感じる奥深さがありますよね。
そんな彼の最新作【君たちはどう生きるか】が2023年7月14日に公開され、年齢的にも最後の作品といわれている中何を伝えたい映画なのかとても興味深いですよね。
そこで、【君たちはどう生きるか】は何を伝えたい映画なのか、宮崎駿のメッセージやその魅力について考察!
公開後、SNSやウェブサイトで飛び交っている感想や意見を参考にしつつ、私なりの考察も踏まえてご紹介していきます。
Contents
【君たちはどう生きるか】何を伝えたい?
公開が迫った宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』大分県ではドルビーアトモスでの上映が決定、福岡県ではドルビーシネマでの上映も決まっている。私小説的な話とモノラル音声への回帰で度肝を抜かれた『風立ちぬ』から10年、宮崎駿監督がどんな映像美と立体音響を完成させたのかとても気になる。 pic.twitter.com/hzoqyfrG8z
— ポンとり天男♨️ (@sh2010tw) June 21, 2023
今まで見た作品からも宮崎駿のメッセージを感じてきた方は多いはずですが、彼自身はどのような思いでアニメーションを作り続けているのでしょうか?
宮崎駿は何を伝えたいのか、作品を作るときにメッセージをどのように込めるのか、今までの発言などからご紹介したいと思います。
【君たちはどう生きるか】ではタイトル通りの問いがメッセージだと感じる方が多く、私もそう感じた一人。
眞人は異界での冒険を通して生きることとは何なのかを体験することによって、自分がどんな世界で誰と生きていくのかを決意したのではないでしょうか。
【君たちはどう生きるか】というメッセージには、「世界をどう認識しているのか」、「どんな役割を持っているのか」、「何を大切にしたいのか」、「本当にこの世界で生きていくのか」、というたくさんの問いを含んだ言葉でもあるんですね。
宮崎駿は何を伝えたい?
長きにわたって
君たちに見せてきたのは壮大な夢だ。そこから持ち帰ったお守りと
小さな望みをたずさえて
この世界を生きろ。そんなメッセージのように思えた。#宮崎駿 #宮﨑駿 pic.twitter.com/NYrJ5Exsn6
— 坂城良樹 (@yoshiki44444) July 19, 2023
宮崎駿が今まで取材や会見で発言してきた中で、『メッセージ性っていうので映画は作っていない』『メッセージはなるべく隠す』などのちょっとびっくりする内容の発言が。
ただ、【君たちはどう生きるか】では抽象的ではあるものの強いメッセージ性を感じた方も多いはず。
注目なのは、引退会見で『この世界は生きていくに値する』ことを子どもに伝えたい、それが根幹にあるのだと言っていることですね。
きっとその思いは今回の【君たちはどう生きるか】にも反映されているのではないでしょうか。
私たちは生きるに値する世界を子どもたちに見せることができるのか、深く考えさせられた言葉でもありますね。
眞人は宮崎駿自身が投影されているといわれていますので、眞人が認識した世界、そこで生きるという決意は、「自分はこういう世界で生きた、君たちはどんな世界でどう生きる?」という問いかけなのかもしれません。
清くて汚い世界でどう生きるかというメッセージ
君たちはどう生きるか
天才宮崎駿の真骨頂
手描きアニメでしかなし得ない映像表現の洪水に呑まれた
監督のやりたいこと全部やって繋げたらこうなった的な
理解しようとすると脳が疲弊する
ただ感じればいいっていう映画
もうまた観たくなってる
考察を語り合うのも楽しい
素晴らしい作品をありがとです pic.twitter.com/e7VY2rKkjC— 映画だいすき (@movie_love0322) July 16, 2023
眞人は母を亡くした後、母の実家に疎開しそこで新しいお母さんと出会うことに。
眞人は決して言葉には出しませんが、新しい母親にも、父の言動にも、新しい家や学校にも、嫌悪感を持っていることがわかりますね。
学校へ行かなくてもいいように自分で頭に傷をつけたことが、後々になって汚いもの、醜いものが自分の中にもあるという自覚につながっていきます。
異界では若い頃のキリコと捕まえた魚を解体するシーンがありましたが、眞人はここで「生きる上で汚れることからは逃れられない」と学んだのではないでしょうか。
眞人が戦時中にも関わらず普通の生活ができたのは、父親の工場が戦争による恩恵を受けていたからであり、犠牲を払うことや汚れることとは無関係で生きていけないのです。
異界へ行く前の眞人はその自覚がなかったので、出された食事に「まずい」と言っていましたね。
そして、大叔父にこの世界を継ぐよう言われる眞人。
例え理想通りのきれいな世界を創れるのだとしても、汚さと清らかさが混沌となった世界で生きるのだという彼の選択には心を打たれましたね。
この混沌を私たちの世界に置き換えてみると、これからの時代、混沌はもっと複雑に入り混じって単純な表裏一体ではなくなり、しかもそのスピードも加速していくでしょう。
そこで眞人は、「友達を作る」ことで生きていくと言っていましたね。
私たちは自分たちの世界をどのように認識して、どう生きていくのか、もう一度考えるきっかけになったのではないでしょうか。
【君たちはどう生きるか】宮崎駿のメッセージや魅力を考察!
鈴木敏夫責任編集『スタジオジブリ物語』(集英社新書)
ジブリ誕生のきっかけとなった『風の谷のナウシカ』から今年7月公開の『君たちはどう生きるか』まで、この一冊でスタジオジブリの歴史がたどれます!新作を期待している方もぜひ。 pic.twitter.com/738fGSXkfk
— ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店 (@harukas_junkudo) June 25, 2023
お話に登場する大叔父の建てた塔とその中の世界は、夢のように脈絡がなく不思議な出来事がいくつも起きますね。
実はこれは、スタジオジブリの比喩なのではないかといわれているんだとか。
そこで、塔とその世界に込められた宮崎駿のメッセージについて考察!
また、今回も魅力あるキャラクターが登場していますが宮崎駿監督の身近な人がモデルになっているといわれていますので、詳しく調査しました♪
塔と異界はスタジオジブリの比喩なのかを考察!
君たちはどう生きるか観た
確かにこれは宮崎駿の遺言状ですわ
アニメーションという手段で2時間近くかけて盛大にお膳立てした最後に観客に「君たちはどう生きるか」というデカい問いかけをしてくる
でもいくらなんでもそれは観客を突き放し過ぎじゃない?と思うくらいには漠然としたメッセージだったな pic.twitter.com/LlwdHqE03T— 河豚川ポンズ (@SOxalic) July 17, 2023
夢の中の世界のように、常識や社会通念が通用しない一見ちぐはぐに見える異界。
登場人物や意味深な小物、生き物たちの不思議な生態やルールがそれぞれ何かの比喩なのではないかと話題になっていますね。
実は、この海と鳥の不思議な世界はスタジオジブリそのものなのではないかといわれているんだとか。
大叔父が眞人に、3日に1個積むように言った積み木は13個。
これらは今までの宮崎駿監督作品13作のことで、13個を3日に1個積むと39日間世界の均衡が保たれることになります。
スタジオジブリは設立から39年経っており、この数字は偶然とは考えにくく意図的に設定したのではないでしょうか。
宮崎駿が投影されている大叔父が創造した世界は、子どものように自由な発想で、歪だけれどギリギリのところで成り立っている創作物なんですね。
この美しくも絶妙なバランスでどうにか立っているスタジオジブリを次の世代に引き継ぎたいという宮崎駿の思いと、こんな世界は烏合の衆の王様であるインコの手で壊れてしまえばいいという皮肉も感じられますね。
もしかしたら、親世代が作った世界は子どもたちは引き継がなくてもいいんだという解釈もできるかもしれません。
魅力のあるキャラクターが登場!
おはようございます☀
「君たちはどう生きるか」を見にいってきました😊
キービジュアル以外は前情報の無い作品😶🌫️
イラストレーションや登場するキャラクターは宮崎駿&ジブリ作品でしたが、最後までストーリーを掴めず😳監督のラストメッセージ 的な何かは見せつけられた気がしております…🥺 pic.twitter.com/3fPeBXRCJH
— ひろし🎦@Ae×カメラ×音楽×旅×コスメ (@hiroshi_n_12) July 16, 2023
宮崎駿は身近な人物をキャラクターのモチーフにすることが多いことでも有名ですね。
公開前、鈴木敏夫プロデューサーのラジオ「ジブリ汗まみれ」で登場人物について触れていましたが、その通りだったのではないでしょうか。
ラジオによると、眞人が宮崎駿、喧嘩相手のサギ男は鈴木敏夫プロデューサー、2人の仲裁役のキリコはジブリの色職人といわれている保田道代さん。
また、眞人の父親は宮崎駿の父親をモチーフにしているのではといわれていますね。
中でも人気なのが【もののけ姫】のコダマにそっくりのわらわら達。
白くて丸いかわいいキャラクターなのですが、異界がスタジオジブリの比喩だとしたらわらわらはアニメーターの卵のような存在でしょうか。
ペリカンに食べられてしまったり、ペリカンを追い払うためとはいえヒミに焼かれてしまったり、残るのは一握り…。
という、かわいい存在とは裏腹に厳しい環境に置かれているアニメーターの悲哀を感じますね。
ジブリ映画を視聴できる唯一の方法をご紹介!
『君たちはどう生きるか』を観た方の中には、もう一度、昔のジブリ映画を観たいと思われた方も多いのではないでしょうか。
年に数回、ジブリがテレビで再放送されますが、いつどの作品が放送される分からないので、観たい作品をすぐに観ることはできません。
また、BSやCSでもジブリのテーマソング特集などの特別番組が放送されることはありますが、作品自体の再放送はないのです!
さらに!テレビだけでなく、NetflixやU-NEXT・ディズニー+などの動画配信サービスでもジブリを観ることはできないことをご存知でしたか?
現在、ジブリを観る唯一の方法、それはTSUTAYA DISCAS!!!
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まとめ
『もののけ姫』は【生きろ】
『風立ちぬ』は【生きねば】ジブリの宮崎駿さんが最後に選んだモノは…
『君たちは【どう生きるか】』引退から復活までして創る物語のMessageは何か…? pic.twitter.com/JDJZDKXM9g
— キヨkiyoロング🛹 (@kiyo_cruising) February 12, 2018
【君たちはどう生きるか】は、宮崎駿の伝えたいことやメッセージが色濃く詰まった作品。
何を伝えたいのかわからないという意見もありますが、やはり『君たちはどう生きるか?』という問いに集約されるのではないでしょうか。
自伝的映画ともいわれる作品の中で、宮崎駿は自身の世界観と生き様を表現し、見る側に自分の世界観とこれからの生き方を問いかけているのかもしれません。
また、塔の中の世界はスタジオジブリの比喩ではないかと考察したところ、次の世代に引き継ぎたいというメッセージも垣間見えましたね。
ただ、お話では塔の中の世界は崩壊してしまったので、歪に成り立っている世界はいずれ壊れてしまう、子の世代は親の意思を引き継がなくていいという考察もできそうです。
塔の中の世界で登場していた魅力あるキャラクター、特にわらわらはSNSでも人気でグッズがあったら買いたいという声も多数。
動きも見た目もかわいいけれどなにかと不運なわらわら、コミカルなのにでかくて鼻息の荒いインコなど、今回も魅力的なキャラクターが登場して嬉しい限りです♪
何を伝えたいのか、解釈や考察はそれぞれ意見がありますので、幅広く調査してみると2回目、3回目に見たときの感想も違いそうですね!