先日、ジブリアニメーション映画「君たちはどう生きるか」の公開日が発表され、再び話題となっている吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」。
80年以上も前に書かれた作品となっており、漫画化もされたことで読んだことがある方もいるのではないでしょうか。
まだ読んだことがない方も、あらすじや要約をこの記事で読むことによって、どうしてこの小説が長い間話題となっているのかをきっと理解できるはずです!
また、宮崎駿と吉野源三郎で「君たちはどう生きるか」の伝えたいことの違いはあるのでしょうか。
そこで今回は、君たちはどう生きるかのあらすじと要約や、伝えたいことは宮崎駿と吉野源三郎で違うのかを調査してみました!
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【君たちはどう生きるか】あらすじと要約は?
スタジオジブリ・宮崎駿新作映画「君たちはどう生きるか」のタイトルロゴ、なんかシブい、どこかで見覚えあるなと思ったら、三鷹の山本有三記念館に展示されていた初版本の字体がそのまま使われてる。 pic.twitter.com/4FCX2ThJJU
— nisai / 松田直己 (@nisaitoyou) December 21, 2022
「君たちはどう生きるか」は、14歳の少年コペル君が身近に起きる問題を、叔父さんのアドバイスを元に乗り越え成長していく物語です。
小・中学生向けに書かれた作品ですが、大人にも読んでもらいたい一冊。
この本の要約を3つにまとめてみました!
- いじめ問題についてどう考え行動するか
- 友達への裏切り
- 消費する人と生産関係の話
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう!
「君たちはどう生きるか」のあらすじ
あの名著「君たちはどう生きるか」が、まんが版と新装版で発売されています。
ちなみに、向かって左隣は「14歳の君へ どう考えどう生きる」他、池田昌子さんの著書5点、向かって右は「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」。今、話題の本です。 pic.twitter.com/YOKLSBQvTE— 田中書店 日南1号店 (@tanakanichinan1) October 3, 2017
「君たちはどう生きるか」は、1937年の東京が舞台となっています。
主人公は、14歳のコペル君(本名:本田純一君)。
3年前に父親を亡くし、親戚の叔父さんと母親と一緒に暮らすように。
コペル君というあだ名は、コペル君が「人間は世の中を作っている分子だ」ということに気付き、叔父さんに言うとコペルニクスと同じ大発見だと言って、叔父さんがつけてくれました。
コペル君が学校で身近に起きる、いじめや貧困などに苦しみ悩んでいると、その叔父さんが日々ノートに綴っていたアドバイスを元にコペル君を励ましていきます。
その叔父さんのノートがコペル君の生きる道しるべとなり、日々の私たちの生きる世界でも起こりえる社会問題を自ら考え答えを見つけようとする物語。
今までの人生を見つめなおすきっかけにもなり、普段の生活でも起こるいじめや差別などについても考えさせられる作品です。
「君たちはどう生きるか」の要約
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
軍国主義に傾く1937年、当時の子どもたちに思想を越えた文化の豊かさや人類の信念があることを伝えようと編纂された日本少国民文庫のうちの一巻。コペル君の日常生活の出来事から叔父さんが認めるノートの記録には愛と想いが詰まっており、→#読了 pic.twitter.com/JaHILl9NFE
— いぬちゃん (@books_dairylife) January 19, 2023
この本を私なりに、3つに要約してみました。
その3つを詳しくご紹介しますね!
いじめ問題についてどう考え行動するか
三世代で読みたい歴史的名著😊
貧困、いじめ、勇気、学問 人として大切なことは?
🔸🔸「君たちはどう生きるか」🔸🔸 pic.twitter.com/86HZk7dYAL— 東山堂 イオンモール盛岡南店 (@tosando_aeon) February 19, 2023
物語の中で、コペル君の同級生である浦川君が山口君にいじめられている話が出てきます。
いじめられている理由というのが貧しいからと、たったそれだけの理由でいじめというのは起きるのですね。
私が学生の頃、裕福な男子学生がいましたが、生意気だからといじめられているということを耳にしたことがあります。
貧富の差、いわゆる差別的な理由でもいじめの問題は起こりえるのではないでしょうか。
小説の中で、浦川君をいじめている山口君を北見君が殴ってしまうのですが、驚いたことにいじめられていた浦川君は、自分をいじめていた山口君をかばうのです。
誰も悪くないという、浦川君の優しさや心の強さが垣間見れたシーンですよね。
いじめはどんな時代でも起こる社会問題です。
自分ならどう行動するか、自分で考えその場に合った行動をとるべきなのではないでしょうか。
友達を裏切ってしまった後悔
「人間が人間同志、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない。そして、それが本当に人間らしい人間関係だと、──コペル君、君はそう思わないかしら」
今でこそ強く響く言葉。
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」 pic.twitter.com/yWx8ch6qez
— すてぃーぶん (@stephen_jidosho) March 31, 2022
コペル君はある日、友達を助けるという約束したにもかかわらず、友達が先輩にボコボコにされているのに助けることをせず、ただ見ていることだけしかできませんでした。
いざその場になってしまうと、怖くて何もできなかったのです。
そのことから友達たちに嫌われてしまったと考えてしまい、友達を裏切ってしまったという後悔の念に押しつぶされて、学校に行かなくなってしまいました。
落ち込み悩むコペル君は、叔父さんに相談をしアドバイスをもらいます。
叔父さんは、失敗は誰にでも起こるし、そこから立ち直ることを決めるのは自分自身だと答えました。
また、考えすぎるのも良くない、自分が今すべきことを考えて行動をするべきだということを教えてもらい、コペル君は叔父さんに勇気をもらったのでしょう。
コペル君の今すべき答えは、友達に謝罪の手紙を書くことでした。
自分自身で答えを考え導き出すことは、簡単そうにみえて難しいことですよね。
周りにいる大人が答えを出す手助けをしてあげることで、自分で考えた答えを出せたということが勇気にもなり自信にもなるのではないでしょうか。
消費する人と生産関係の話
「君たちはどう生きるか」読み終わりました
「消費するだけでなくて、生産して世の中の役に立とう
何も持たない人間であっても、自分を磨くことで良い人間にして生産することはできる」とメッセージを受け取った
本読むだけでなく、学んだことを世の中に還元せねば#読書 #読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/WLQPFKe9LH— キャルロ@読書垢 (@kyalotte) July 17, 2022
作中に出てくる生産関係についての話があります。
自分は消費してばかりで、なにか生産して世に送りだしているだろうかと考えたことはありますか?
叔父さんは、生産はしていなくても、人間は毎日大きなものを生み出していると言っています。
ここでは、なにを生み出しているのかの答えはありませんが、それはコペル君自身や読者の方たちが考え、答えを見つなければなりません。
それはもしかしたら、自分の失敗を認め謝ることができた勇気を生み出したということかもしれないし、それを許すことができた寛容な心を生み出したということかもしれませんよね。
この本を読むことで、なにを生み出しているかの答えのヒントを得られるのではないでしょうか。
【君たちはどう生きるか】伝えたいことは宮崎駿と吉野源三郎で違う?
吉野源三郎 著
『君たちはどう生きるか』#読了コペル君の純粋な心と、それに真剣に向き合い色々と教えてくれる叔父さんのノート。
そのノートには少年に向けた丁寧な言葉が詰まっており、二十代の自分にも響く言葉がたくさんあった。
いじめで苦しんでいた十代の自分に読ませてやりたい一冊です。 pic.twitter.com/w03hcymOlh
— Amayjigen (@AM_exSn4_izigen) June 16, 2020
映画「君たちはどう生きるか」がついに公開されましたが、あらすじの内容がわかってきたことで、小説と映画の伝えたいことが見えてきたのではないでしょうか!
原作と映画の内容は、タイトルの「君たちはどう生きるか」だけ同じで登場人物やストーリーは全くの別物でした。
しかし、内容をよく見てみると意外にも伝えたいことは同じように感じなんじゃないかと私は思うのです!
宮崎駿と吉野源三郎の伝えたいことは同じ?
「君たちはどう生きるか」
久々の読了ツイートです。ソフトカバー版。数年前に流行った時に実家で買ったみたいで、それを貰ってきて読みました
タイトルからは哲学書なのかと思っていましたが、実際は小説で、小学校高学年から高校生くらいが対象かなという読みやすい本でした
流行したのも納得です pic.twitter.com/XwEv25MPZb— 影ノ木 (@7gfq0710) July 26, 2021
宮崎駿と吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は、自分自身で考え答えを導き出すことにおいて、伝えたいことは同じなのではないでしょうか。
映画「君たちはどう生きるか」のストーリーでは、ラストに異世界の創造主である大叔父に自分の後を継いで欲しいと言われます。
悪意のない世界を創造するのに必要な積み木を用意されるのですが、眞人は自分で傷つけた頭の傷を指差し、自分の中にすでに悪意があるからと断りました。
眞人は大叔父の後を継ぐことで、戦争もない平和な世界を作ることができるにも関わらず、辛いことが待ち受ける自分の世界に戻ることを決断したのです。
東京からきたばかりの眞人は、新しい母・夏子を母親と認めることができず、学校でも馴染めずにいました。
学校に行かなくてよくなった眞人は、部屋でたまたま小説「君たちはどう生きるか」の本を見つけそれを読み進めるうちに号泣します。
その後からいなくなった夏子を探しに異世界に入り、若い頃のキリコや眞人の実の母親・ヒミと出会い冒険が始まるのですが、その経験と本が眞人を成長させたのかもしれません。
吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」も、周りのことは気にせず自分で考え答えを出し決定することに意味があることを教えてくれています。
これから生きていく中で、様々な選択を迫られることでしょう。
それでも、周りに流されずに自分自身の考えを貫き、勇気をもって行動を起こすことが自分の自信にも繋がるのではないでしょうか。
映画と原作の内容は全く違っていて、ジブリ映画はファンタジー要素を取り入れていますが、子供向けでありながらも子供が見るには少し難しく考えさせられる物語が多いですよね。
小説も、小・中学生に向けて書かれた作品でもありますし、根本的なところの伝えたいことというのは同じかもしれません。
「君たちはどう生きるか」の答え
『君たちはどう生きるか』の帯ができました。1982年に文庫になって以来長年にわたって愛読され、130万部を突破です。著書の吉野源三郎は雑誌『世界』の初代編集長でした。 pic.twitter.com/Mtbug2DbNo
— 岩波文庫編集部 (@iwabun1927) December 15, 2017
この小説のタイトル「君たちはどう生きるか」の問いの答えは内容に書かれておらず、映画もラストは異世界から戻ってきたところからあっさりと終わりましたよね。
原作では、叔父さんがノートを通じて、コペル君にこれまで実際に経験したことを振り返り、自分の考えを持って人生を歩んで欲しいという思いと、失敗したことを忘れないで欲しいという思いを伝えたかったのだと、私は思います。
そのことを踏まえ、叔父さんはコペル君にどう生きるかと問いかけているのでしょうね。
映画でも最後は、眞人の決断でこの先平和になるかわからない世界に戻ってきました。
しかし、初めは得体の知れないアオサギのことも最終的には友達になれたように、将来のことなんて誰にもわからないのです。
眞人がこれからどう生きるのかは、眞人自身が考え答えを見つけ出すことでしょう。
吉野源三郎や宮崎駿がこの本や映画を通して、生きるということは何かを考え、自分自身で答えを出して欲しいという思いがあったのではないでしょうか!
過去のジブリ映画をみる方法を紹介!
『君たちはどう生きるか』を観た方の中には、もう一度、昔のジブリ映画を観たいと思われた方も多いのではないでしょうか。
年に数回、ジブリがテレビで再放送されますが、いつどの作品が放送される分からないので、観たい作品をすぐに観ることはできません。
また、BSやCSでもジブリのテーマソング特集などの特別番組が放送されることはありますが、作品自体の再放送はないのです!
さらに!テレビだけでなく、NetflixやU-NEXT・ディズニー+などの動画配信サービスでもジブリを観ることはできないことをご存知でしたか?
現在、ジブリを観る唯一の方法、それはTSUTAYA DISCAS!!!
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まとめ
『君たちはどう生きるか』
既にポスターが映画館に掲出されているようです! pic.twitter.com/YR1tedr4Ba— ジブリまみれ (@ghiblimamire) December 31, 2022
今回は、君たちはどう生きるかのあらすじと要約や、伝えたいことは宮崎駿と吉野源三郎で違うのかを調査してみました!
「君たちはどう生きるか」のあらすじは、14歳の少年コペル君が身近に起きるいじめや差別に対して、叔父さんのアドバイスを聞きながら自分で答えを探して成長していく物語です。
私たちの身近に起こりえることが物語になっているので、自分のことのように考えさせられることがあるのではないでしょうか。
ご紹介した要約を見ることで、ここはそういうことかと理解しながら小説を読む楽しみ方もできると思います!
宮崎駿と吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」の伝えたいことは、この先生きていく中で自分自身で考え答えを見つけ出して欲しいという点では同じなのではないでしょうか。
2023年7月14日に映画「君たちはどう生きるか」が公開されたので、気になる方は見に行ってみては♪
また、小説も哲学的で道徳的でもあるので、お子さんや子供たちと一緒に見てみてはいかがでしょうか!
叔父さんの助言やコペル君の行動を見ることで、これからの人生をどう生きていくかを導き、手助けをしてくれる一冊となることでしょう♪