1997年に公開されたスタジオジブリによる長編アニメーション映画作品「もののけ姫」。
もののけ姫は幻想的な世界観を演出しているからこそ、木霊や妖精といったようなキャラクターも登場します。
メッセージが性が強く意味を解釈するのも難解であり、登場するキャラクターも独創的であることから、正体や由来となったモデルも気になるはず。
その中でも特に印象的なキャラクターは、カラカラと音をたてて登場する妖精のような「こだま」。
可愛らしい姿をしていますが、無機質にカラカラと声を出すような姿に不気味な印象を与え、謎が深まるばかり。
一方であの音の正体は木霊の声を意味しているのではないかとの意見もあります。
そこで今回の記事では、こだまは木霊なのかどうか、由来となったモデルを調査していきます!
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もののけ姫「こだま」の声(音)の正体は?
金ローのもののけ姫が楽しみすぎてグリーンカレーにこだまを添えました
ちなみにスプーンはもののけ姫のモデルの屋久島で買った屋久杉スプーンです☝️ pic.twitter.com/lrVjNZz7qN
— なな (@ghiblitimh) August 13, 2021
もののけ姫に登場するこだまの正体やカラカラと音をたてる意味を知りたい方が多いはず!
情報によると、こだまは木に宿る精霊です。
木を妖精としてヴィジュアル化させて描くのには理由があり、強いメッセージ性が隠されているのが分かります。
また、実はあのカラカラとした音には色んな説が存在しているんですよ。
今回はこだまのカタカタと音が鳴る正体を紐解いてみましょう。
こだまは木に宿っている精霊!
浜松市美に「シシ神の森」がくる・・!
黒々と描かれた泉は波一つ立たず、鏡のように樹々を反射しています。
もしこんな森に迷い込んでしまったら。
非現実的な美しさに圧倒されつつ、恐ろしくなりそうです
「新・山本二三展」
7月8日(土)~9月10日(日)#浜松市美術館 #山本二三展 #もののけ姫 pic.twitter.com/vhVHQbSoSO— 浜松市美術館 (@hamamatsushibi) June 19, 2023
もののけ姫に登場するこだまは、クレジットではカタカナで表記されていましたが漢字で表記すると「木霊」。
文字通り、こだまの正体は木に宿っている精霊なのです。
屋久島の森やその周辺で語り継がれる精霊、妖怪たちから着想を得ているようですね。
物語の中では、こだま自身は人間に対する敵意はなく、主人公のアシタカに対しても親しい印象。
しかしタタラ場の住人である甲六は、こだまに対して恐れを抱いていました。
人々にとって不気味な姿であるこだまは恐れをも感じさせますが、木々の精霊である木霊に対する畏怖の気持ちのようにも読み取れますね。
カタカタと音が鳴る意味
もののけ姫のBESTIA上映、音が本当に
すんごいわ。
そのギャップで無音シーンの無音さが際立つったらない。客も誰一人として物音立てずに息詰めて観てて(大体誰かガサゴソする奴いるのに)静寂っぷりにちょっと鳥肌立ってしまった。あとこだまの大合唱シーンはなんなら一番3Dサラウンドだった笑 pic.twitter.com/oTORSQI5gd
— みつ (@honey_beeeee) July 22, 2020
こだまは首振りをするとカラカラと音がなります。
甲六が怯えるのもうなずけますね。(笑)
このカラカラ音は作品の中では詳しく説明されませんでしたが、巷では色々な説が存在しています。
一つ目は、首と頭の間に空間があり、首を振ることで空気を入れ替えているのではないかという呼吸節。
他には、1匹が音を鳴らすと他のこだまも釣られて鳴らし始めるため、自分の存在をアピールするために無意識に鳴いているのでないかという習性説もあります。
数ある説の中でも、いちばん考えられるのは言葉をかわしているのではないかという言葉説。
こだまはシシ神がデイダラボッチに変化したときや、アシタカが森に入ったときに首を振りカラカラと音をだしました。
木に宿る精霊として、森に異変が起こると感じた時に首を振って音を鳴らし、森全体に合図を送っているのではないでしょうか。
もののけ姫の木霊の意味や由来・モデルとなった妖精も調査
屋久島、白谷雲水峡⛰4時間の山登りをしました☺️もののけ姫のモデルとなった場所で、宮崎駿監督は作り手に必ず現場を見るように言ったそうです✨それぐらい実物の方が緑が濃いこの大杉は寿命をとっくに超えているのに根を下ろして頑張っているそうです(屋久島の環境は過酷)コダマ見えましたか? pic.twitter.com/8huhNYc6MA
— Jelia@✈️♨️☕️好き (@junpyon10) May 21, 2021
もののけ姫はメッセージ性が深いからこそ、木霊の意味や由来をさらに追求したいですよね。
木々の生命をヴィジュアル化したことで、最終的に何を伝えたかったのでしょうか。
宮崎駿監督によると木々に宿る生命の重みをわかりやすくするために、こだまというキャラクターを登場させたとのこと。
そんな自然と人間の共存に対して強いメッセージが込められた作品ですが、こだまがどのように誕生したのか詳しく調査していきます!
人間と森の対立を表現
終わりが近くなってきたので豆知識
ラストシーンの独りぼっちの木霊は後々トトロになります。
ラストシーンの際少し意識して観てみてください。#金曜ロードショー #もののけ姫 pic.twitter.com/foP8yXCMqx— あお林檎 (@Souryuu_A1204) October 26, 2018
本作の大きなテーマのひとつは、「人間と自然の対立」。
自然への畏れを忘れて管理しようとする近代の人間を描くように、本作ではタタラ場を率いるエボシが村を作るために森林を破壊。
物語の終盤、破壊されていく森の中で次々とこだまたちが死んで降り注ぐシーンは、森の生命の衰退を物語っていますよね。
人間中心主義の視点から見ると、擬人化されたコダマが殺されて降り注ぐシーンは、生命の重さをひしひしと感じることができるでしょう。
これは、木霊をヴィジュアル化することで、木々の命の重みをわかりやすくするという宮崎監督の意図がよく表現されていますよね。
ただ、ラストシーンでは荒廃しきった森にポツンと一匹のこだまが描かれます。
これは森の生命が再生するのか、衰退するのかは人間次第という暗示ではないでしょうか。
ちなみにコダマは、長い年月をかけて再生した森で、後に『となりのトトロ』のトトロになるという噂もあります。
舞台のモデルは屋久島の「木霊の森」
樹齢1000年以上の杉があちこちに生え、昼間でも薄暗い屋久島の森。映画『もののけ姫』のモデルになったそうです。確かに、どこかから「こだま」が顔を出しそうな雰囲気でした(^O^) pic.twitter.com/XxVIVLSshB
— 片柳弘史 (@hiroshisj) August 31, 2019
シシ神の森は屋久島の森をモデルにしているのは有名ですが、実は屋久島には「木霊の森」という森があります。
実際に宮崎駿監督とスタッフが屋久島に行きシシ神の森のモデルとなった森で写真を撮ったところ、1人のスタッフが森の中で白い玉を見たことから、こだまのモデルになったようなんです。
口コミでも、屋久島の木霊の森で写真を撮ると、こだまのような白くて小さいものがたくさん写るとの噂も!
日本では木や植物など自然界には神が宿っているという信仰があり、木霊という名前の精霊や妖怪が樹木に宿り守っているという言い伝えがあります。
もののけ姫はそんな自然界の森を破壊する社会問題を訴え、人間中心で考えて生きる私たちの心に大きく響くテーマが込められている作品ですね。
まとめ
✨✨✨発表✨✨✨
スタジオジブリ
最新作公開記念
3週連続 夏はジブリ7月7日 #風の谷のナウシカ
7月14日 #コクリコ坂から
7月21日 #もののけ姫3週にわたりフライデーおじさんのオープニングが復活 pic.twitter.com/ndcc191Isq
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) June 15, 2023
今回はもののけ姫に出てくるこだまの音が鳴る意味やこだまの正体を調査し、由来となったモデルを紹介しました。
こだまは木に宿る精霊の木霊であり、妖怪や妖精とも言われているんですね。
首を振るとカラカラと音が鳴る正体は、作中では詳しく説明されませんでしたが、色んな説があるとか。
色んな説がある中、森全体の合図として音を出しているのではないかという言葉説がいちばん考えられるのではないでしょうか。
確かにアシタカたちがが森に入った時も、こだまがカラカラと声を出したことから、何か伝えたい事を声に出して送っているようにも感じますよね。
ちなみに、作品の中のこだまの由来は屋久島の木霊の森で撮った写真から白いものが見えたことからこだまのモデルになりました。
擬人化された妖精のようなこだまが次々と滅んでいく描写はまさに生命の重さを感じますよね。
宮崎駿監督は舞台挨拶の際、損得ではなく生きるということ自体にどういう意味があるのか問わなければいけないと語りました。
彼は、もののけ姫という作品を通して、人類がやっていることは果たして正しいのかという問いを投げかけているのではないでしょうか。